はぴどらマガジン

「仕事も頑張りたいけど、プライベートも大事。なんならちょっといい生活がしたい」そんな方に向けて「最近読んだ本やおすすめの良いもの」を紹介します。

(要約)古賀史健著「20歳の自分に受けさせたい文章講義」

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古賀史健著「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を読みましたので、内容・読んだ感想を紹介します。

 

本の概要

  • 文章作成に携わる初心者に向けて、持っておくべき心構えや、論理的な文章を書くための基本的なテクニックを紹介した本
  • 前段を除き全4章から構成されており、「論理展開」「文章構成」「読み手」「編集」について、具体例を交えながら分かりやすく述べられている。
  • 筆者の古賀氏は現役のフリーランスライター。大ヒットした「嫌われる勇気」の著者

さすが文章術に関して書かれているだけあって、非常に読みやすい。普段あまり本を読まない方にとっても、取っ付きやすのではないだろうか。

本の中で紹介されているテクニックが活用されているので、何度も読み返すことで新たな発見があるかも!

こんな人におすすめ

  • これからプロの物書きを目指す駆け出しライター
  • 学校や職場で書くレポートやメール、企画書の質を向上させたい大学生・新社会人
  • 「話せるのに書けない!」を解消したい全ての人

筆者いわく、「書く技術」は「考える技術」なので、文章作成に携わらない人でも読んでおいて損はないかも!

量も多くないので、忙しい人もスキマ時間にサクサク読めちゃいます。

ポイント解説

読み終えた後、印象に残ったポイント3つを紹介します。

「いい文章」とは「相手の心を動かし、行動までも動かす文章」

みなさんは「いい文章」とは?と聞かれて、どのように答えるだろうか?
  • 誰にでも分かるよう、平易な言葉・表現で書かれた文章
  • 接続詞や関係代名詞など、文法が正しく使われている文章
  • 読みやすい文章だろうか?
     
筆者いわく、文章を書く目的は、
「①自分の考えを主張し、②それに向けて相手の行動を引き出すこと」
と述べている。
したがって「いい文章」とは、
「自らの主張を明確に表現し、最終的に読み手を行動させる文章」ということになる。
 
逆にいうと、言いたいことが伝わらない文章、読んで終わりになってしまう文章は、いい文章とは言えないのである。
 
①は比較的簡単だと思う。
書き手は何かを表現したくて文章を書くのだから、そこに自分の主張を入れることは難しくはないだろう。
 
では②はどうだろうか?
企画書やレビュー記事など、「〜をやりたい」「〜は良い」」など、主張で終わってしまっていないだろうか?
相手を行動へと動かすのは簡単ではないように思われる。
 
どうしたら相手の行動を引き出せるのか?
それは「説得」ではなく「納得」を引き出すこと
 
読み手は、書き手の主張に対しては基本的に「他人ごと」である。
当事者意識を芽生えさせ「自分ごと」として捉えて初めて、納得〜行動へ導くことができる。
 
では読み手にも「これは他人ごとじゃない」と感じてもらうにはどうしたらいいか?
その方法の1つは、導入で仮説を投げかけ、読み手と一緒にその検証を行っていくことである。
 
一般的な事実を述べたあと、「しかし〜」で自分の主張を述べる論法はよく見かけるのではないだろうか?
また文章の随所に、想定される読み手の反論を織りまぜ、読み手との対話を実現することで、最終的に「自分ごと」として捉えてもらうこともできる。
 
本書では各章にて、「接続詞を適切に使用した論理展開」「序論・本論・結論といった文章構成」「読み手の理解」「冗長さを排除する思い切った編集」などを紹介しているが、その方法全ては「いい文章」を書く目的のためにある。

とにかく書く

筆者は冒頭部分において、本書の目的を
「話せるのに書けない!を解消すること」としている。
 
いざ文章を書こうと机に向かうのだが、いざとなると
「自分の気持ちをうまく文字にできない!」
多くの人が経験した事のある悩みなのではないだろうか。
 
筆者はこの現象に対し
「書こうとするから、書けないのだ」
「書くことをやめて、頭の中のぐるぐるを翻訳する
と勧めている。
 
つまり、文章書くこととは、言葉にできない頭のなかのぐるぐるを翻訳することであり、書くことによってそのぐるぐるを整理していく。その結果文章が書けるようになる、ということらしい。
 
「書くために考える」のではなく、「考えるために書く」
「文章力を鍛えることは思考力を鍛えることに繋がる」
と筆者は語る。
 
書けない人こそ書こう!書いて書いて書きまくれ!論理構造と文章構成とかは細かいことはその後だ!そんなメッセージが伝わってきた。

最大の禁句は「もったいない」

文章の目的は、自分の主張を明確に表現し、相手の納得を引き出すことであった。

筆者は、

「この目的を妨げる文章は、思い切って削らなければならない」

と述べている。

言っていることは分かる。

私も仕事柄、大量の文章・資料を作成するが、確かに沢山書いてあった方がなんとなく「ちゃんと考えた」ように見える。

また、その頑張りを認めてもらいたいがために残しておきたくなる。

 

だが、同じようなことを繰り返して無駄に長く、また結論の見えない文書は、読み手にとってはストレスでしかないのである。

冗長さを排除するためにも、長い文章は躊躇なく切り分ける勇気が必要ということである。

 

自分のことを書かれているようで、大いに反省。。。

次に読みたいのはこの2冊

超箇条書き 杉野幹人著

元コンサルの上司から紹介された本。

ともすれば単なる文字の羅列になってしまう箇条書き。いかに短く魅力的に伝え、人を動かす箇条書きにできるか、について書かれたノウハウ本。

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」と同様、読み手にアクションを起こさせることを目的としており、文章の持つ力を改めて認識させてくれる。

「具体⇔抽象」トレーニング 細谷功

「具体」と「抽象」という、何となく分かるけどイマイチうまく説明できない概念を説明してくれる本。

身につけるには時間がかかるが、あらゆる問題解決の基本的な思考法となっているため、知っておいて損はないだろう。

まとめ

今回は、古賀史健著「20歳の自分に受けさせたい文章講義」について紹介しました。

冒頭述べた通り、ライター初心者さんはもちろん、ブログやSNSなど、日々何かを書かなければならない、あらゆる方におすすめの一冊でした。

「書くこと」は「考える」こと。分からない時こそ、頭の中のグルグルを書き出しましょう。おのずと答えが出てくるかも!