はぴどらマガジン

「仕事も頑張りたいけど、プライベートも大事。なんならちょっといい生活がしたい」そんな方に向けて「最近読んだ本やおすすめの良いもの」を紹介します。

自分にあったコーヒー豆の選び方(初心者向け)

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コーヒーを飲む人、特に最近飲みはじめた人にとってよくある悩みが、
「コーヒー豆、種類多すぎて選べない!!!」
ではないでしょうか?
 
今回はそんなお悩みを解決すべく、「誰でも自分好みのコーヒー豆の見つけられる方法」を紹介します。
 
この記事を読むことで、下記のことが分かります。
  • コーヒー初心者でも焙煎方法・産地の違いによる風味の特徴が分かる
  • コーヒー豆の個性を理解し、自分が飲みたいコーヒー豆を選ぶことができる
 
まずこの記事の結論です。

 

一般的に、コーヒーの味を決める要素は大きく2つあると言われています。

  1. 「豆の焙煎度合」
  2. 「豆の生産地」
 
コーヒー豆はどのくらいの時間をかけて焙煎するかで、酸味・苦味のバランスが決まります。
また栽培される土地の違いによって、コーヒー豆がもともと持つ風味の方向性が異なります。
 
飲むコーヒーによって「酸っぱいな」や「強いな」など、風味の違いを感じる要因はここにあるのです。
 
コーヒー豆の選び方をマスターして、自分にピッタリのコーヒーを選べるようになりましょう!
 

1.初心者はここから!「豆の色」で選ぼう

家でもコーヒーを飲みたいと思って、初めて豆から選ぶという方にとってまず分かりやすいのが、
「豆の色で選ぶ」方法です。
 
私たちがカフェやスーパーで目にするコーヒー豆は、黒褐色の焙煎済みのコーヒー豆です。
もともとコーヒーの生豆は、収穫・精製時は淡緑色をしていますが、焙煎という工程を経て、
黒々した色へ変化していきます。
 
また、生豆の状態では、農作物らしい青臭さがあり、コーヒーらしい味や香りはほとんどありません。
コーヒー豆は、焙煎という火入れの過程を通じて、苦味、酸味、甘味といった豆がもつ独特の風味を
引き出している
のです。
 
この焙煎をする時に、コーヒー豆の持つ酸味や苦みをどの程度を引き出すか。
それは焙煎度合によって決まってきます。
焙煎度合とはつまり、「苦みと酸味のバランス」のことを指します。
 
 
では、ここからは焙煎度合の違いによる、風味の特徴を見ていきましょう。
 
コーヒーの焙煎度合には大きく3つの種類(浅煎り・中煎り・深煎り)があります。
さらに「やや浅煎り」「やや深煎り」など、細分化すると8つに分けることもできます。
まとめるとこんな感じになります。
 

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焙煎度合による色・風味の違い
焙煎は、浅煎りほど酸味が強調され、深煎りほど苦みが強調されてきます。
そして浅煎りのコーヒー豆は薄い茶色しっかり焼きが入るほど黒褐色へ変化していきます。
  • 浅煎り:薄茶色、酸味が強く、苦みが弱い、フルーティーな味わい
  • 中煎り:茶色、酸味と苦みのバランスがよく、コーヒー本来の味わい
  • 深入り:焦茶色、香ばしく、芯がある味わい

 

焙煎度合はコーヒー豆のラベルに必ず書いてありますので、そのコーヒーがどんな味なのか、
見分けることができます。

また、豆の色からも、酸味が強いのか、苦味が強いのか見分けることができます
このように、焙煎度合ごとの風味の特徴を覚えておけば、その時の気分に合わせて飲みたいコーヒーを選ぶことができますよね。
  • リラックス・心を落ち着けたい人は、さわやかな風味が楽しめる「浅煎り」
  • 頭をシャキッとさせたい人は、ガツンとくる苦みがある「深煎り」
     
まずは「豆の色」で味を見分けましょう。これができたら初心者卒業です!

2.慣れてきたら「国」で選ぼう

焙煎度合の違いによる風味の選び方に慣れてきたら、次は「国」で選ぶ方法に挑戦してみましょう。
 
カフェやスーパーでコーヒー豆を買うとき、まず目につくのはラベルに大きく書かれた
「国の名前」ではないでしょうか?
コーヒー豆の銘柄は、栽培された生産地から名付けられることが多く、
エチオピア」や「ブラジル」など、国の名前がそのまま使われています。
 
なぜでしょうか?
 
同じような嗜好品としてワインがあります。
ですが、「フランス!」や「イタリア!」のような国名が、
前面に出ているボトルは見たことないですよね?
 
コーヒー豆が生産地で選ばれる理由は、
「コーヒーの味は、豆が栽培された場所によって風味の方向性が決まるから」なのです。
  • フルーティーで酸味があるもの
  • ほのかな苦味、しっかりとしたコクを感じるもの
 
コーヒーの原料となる生豆の栽培は、世界中どこでもできるという訳ではなく、
以下の4つの条件が揃わないと十分に育たないと言われています。
  • 雨 :年間降雨量1,500〜2,500mm
  • 日光:適度な日照量、直射日光NG
  • 気温:年間平均20℃前後
  • 土壌:水はけの良い土、若干の酸性
 
このような条件を満たす場所は結果的に赤道に近いところとなり、
その一帯のことを「コーヒーベルト」と呼んでいます。

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(引用:https://www.coffeeroast-tokai.com/roast/
 
ただし、コーヒーベルト内にあっても、同じ条件ということはあり得ませんよね?
大陸によって土壌は異なりますし、標高次第で気温や降雨量も異なります。
このような理由から、豆がポテンシャルとして持つ風味の方向性は、産地によって大きく異なるのです。
 
 
ではそれぞれの地域でどんな特徴があるのか見ていきましょう。
上記の図でもわかるとおり、コーヒーの生産地はざっくり3つに分けることができます。
  • アフリカ系(エチオピアケニアタンザニアなど)
    • 柑橘やベリーを感じさせるフレーバーが多いのが特徴
    • 華やか、繊細、フローラル
    • 飲みやすいのに、味がしっかりある
       
  • 中南米系(コロンビア、ブラジル、グアテマラなど)
    • ナッツやチョコレート、しっとり甘いフレーバー
    • 酸味と苦味のバランスが良い
       
  • アジア系(インドネシアベトナムなど)
    • 苦味が強、芯がある、ボディーが強い
    • しっかりとした飲みごたえ

 

以上、産地ごとの風味の方向性の違いについて解説しましたが、
「自分がどんな風味が好みなのか分からない」という方も多いと思います。
 
そんな方には、個人的には、バランス派の中南米系がおすすめです。
まずはブラジルやグアテマラを飲んでみてください。
そこから「もう少し酸っぱいほうがいいかもな」とか「シャキッとするような苦味が欲しいな」
といった感覚を掴んでみる
のがいいと思います。
 
 
 
ここまで、「産地で選ぶ」方法を説明してきましたが、「品種で選ぶ」という考え方もあります。
マニアックな域になりますので、簡単に説明します。
 
コーヒー豆には多く分けて2つの品種があります。
  • アラビカ種香り高さやさわやかな酸味
  • カネフォラ種:焦げた麦のような香りと強い苦み
私たちが通常飲むコーヒーとして販売されているものは、ほとんどがこのどちらかの品種になります。
割合でいうと6:4くらいといわれています。
そして、アラビカ種、カネフォラ種の派生品種として、数十種類の品種が各地で栽培されています。
 
では、産地と品種はどういう関係にあるのでしょうか?
 
それはずばり、産地=品種であるといえます。
 
コーヒー豆の品種には、それぞれ栽培しやすい環境(気温、降雨量など)があります。
したがって、エチオピアではこの品種、ブラジルではこの品種という具合に、
栽培されている品種が決まっています。
 
これは誰かが決めたということではなく、歴史的にコーヒー豆が世界中に伝播されていくなかで、
その土地に最適な品種が伝統的に残った結果なのです。
 
もちろん、最近は同じ農園でも異なる品種を育てるところもあるので一概には言えません。
ですがざっくり言うと、品種を選ぶということは、間接的に国で選んでいるということになるのです。
 

3.迷ったらお店の人に聞こう

ここまで「焙煎による味の違い」と「産地による味の違い」を紹介してきました。
ここで疑問に思うのが、「味に与える影響はどちらがより大きいのか?」
ということではないでしょうか?
 
例えば、
  • 「酸味の強いエチオピアの豆を、苦みが出やすい深入りで焙煎した場合」
  • 「苦みの強いインドネシアの豆を、酸味が出やすい浅煎りで焙煎した場合」
どちらがより苦いコーヒーができるでしょうか?
 
答えは①のほうがより苦くなりやすいです。
一般的に、「どこの豆か」よりも「どれくらい焙煎するか」のほうが味に与える影響が大きい
といわれています。
 
豆の選び方で、まず先に「焙煎度合」を紹介したのはそのためです。
 
もちろん「産地の違い」も味を決める重要な要素であることに違いはありません。
ですが、あくまで「風味のポテンシャル」であり、
それをどれだけ引き出すかは「焙煎度合」で決まるのです。
 
 
なお、「酸味が特徴の豆」を焙煎するときに、
「浅めに焼いてスッキリした良さを引き出そう」とするお店と、
「あえてしっかり焼いて酸味と苦味のバランスを取ろう」とするお店の両方があります。
 
どう味を引き出すかはお店のコンセプトによって決まっているため、どちらも正解です。
「色が濃い=苦い」とか「エチオピア=酸っぱい」というのは、ざっくりした分け方でしかありません。
 
そのため、求めるコーヒー豆を見つける1番の方法は、「店員さんにおススメを聞く」ことです。
店員さんはその店の豆のことを熟知しています。
焙煎度合や産地だけでなく、焙煎からどれくらい日が経っているかなども考え、
その日で一番おススメの豆を教えてくれるはずです。
 
自分の好みを言葉にできると、店員さんもおススメしやすいと思います。
「スッキリした味わいのコーヒーが飲みたいんですけど、どれがおススメですか?」
「コクのある感じが好きなんですけど」
 
はじめは勇気がいるかもしれません。
ですが、店員さんとの会話も、コーヒーの楽しみの醍醐味でもあると思います。
 

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まとめ
  • コーヒー豆をはじめて買う人におすすめの選び方は2つあります。
  • まずは「豆の色」で選んでみる
    • 薄茶色(浅煎り):さわやかでフルーティー
    • 茶色(中煎り):酸味と苦みのバランスが良く飲みやすい
    • 焦茶色(深煎り):苦みが強くストロング
       
  • 焙煎による味の違いに慣れてきたら「国」で選んでみる
    • アフリカ系:浅煎りに適したコーヒーが多い
    • 中南米系:中煎りに適したコーヒーが多い
    • アジア系:深入りに適したコーヒーが多い
       
  • 店員さんと会話してみよう
    • その日にベストな豆を提案してくれる
    • カフェでの会話も、コーヒーの楽しみ方の1つ

 

今回ご紹介した選び方は、本当に「ざっくり」した選び方です。
コーヒーの世界は奥深く、一概に「ここのコーヒーはこんな味!」ということは難しいです。

ただし、今回は初心者の第一歩としての選び方をおすすめさせてもらいました。
みなさんのコーヒーライフが少しでも楽しくなれば、幸いです。

(要約)樺沢紫苑著 「神・時間術」

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樺沢紫苑著「神・時間術」を読みましたので、内容・読んだ感想を紹介します。

概要

  • 平等に与えられている24時間をフル活用し、最大限の成果を出したいと思っている人に向けて、様々な時間術を紹介したハウツー本
  • 著者の樺沢氏は、作家業の傍ら、精神科医としてのバックグラウンドを有しており、脳科学的な視点での解説も添えられている。

本書で紹介されている「神・時間術」は、著者の経験から編み出されたものであり、
実際に著者は、本の執筆に加え、ブログ、メルマガ、YoutubeFacebookなど大量のタスクをこなしつつ、年30日以上の海外旅行にも行っているという。

そのほかの著書には、有名な「アウトプット大全」などがある。

こんな人におすすめ

  • 「もっと時間を有効活用して、仕事で結果を出したい」と思っている人
  • 「もっと家族と過ごす時間が欲しい」と思っている人
  • 「たまにはのんびりする時間を持ちたい」と思っている人
内容自体は非常にシンプルなので、空いた時間でさらっと読めてしまいます。
忙しい人ビジネスマンや主婦の方にもおススメ!

ポイント

印象に残ったポイントを3点紹介します。

「脳のゴールデンタイム」を活用して時間効率4倍

仕事のパフォーマンスは、「集中力×時間」で決まる。
つまり、限られた短い時間でも、集中力を高めることで、アウトプットする量や質は最大化できるということである。
 
しかし、「集中力を高める!」と聞くと、まるで自分の意思でコントロールできるものと勘違いしてしまいがちではないだろうか?
  • コーヒーを飲んで集中のスイッチを入れよう
  • シャワーを浴びて、頭をスッキリさせよう
  • 音楽を聴いて、雑音をシャットアウトしよう

など

 
筆者いわく、
基本的に、集中力をコントロールすることには限界がある
圧倒的に高い集中力を持っているプロのアスリートでも、完全にコントロールすることは難しい。
 
では誰もが集中できる方法はないのだろうか?
 
それは、
集中力の高い時間帯に、集中したい作業を持ってくること
である。
 
 
「脳のゴールデンタイム」とは、「起床後2時間」のこと。
 
人間の脳は、寝ている間に整理整頓される。
朝起きた直後の脳は、「何も載っていないまっさらな机」の状態
 
この時間帯は、論理的な文章を書いたり、語学学習したり、難しい資料を読んだりなど、集中力を必要とする仕事が向いている
 
逆にこの時間にメールのチェックをしたり、打合せをしたりすることは、せっかくの脳のパフォーマンスを生かせないので、避けるべし。
 
どの時間帯に、どんな仕事をするのか。集中力を加味した仕事の計画を立てるだけで、脳科学的に仕事のパフォーマンスを倍増することができる。

 

 
これを聞いてどう思うだろうか?
  • 朝起きて、朝食を食べ、身支度をし、電車に乗って通勤し、会社に着く頃には2時間なんてとっくに過ぎてる
  • 「電話だってかかってくるし、しょーもない雑談だって振られる。決して自分の思うように仕事ができない

こう思う人も多いと思う。

 

確かに、以前の働き方であれば、大半の日本人サラリーマンは、これを実践するのはなかなか難しかっただろう。
筆者のように、自分の時間を好きに使える、アレンジできる人の時間術である。
 
しかしコロナを機に、在宅勤務や時差通勤など、朝の時間を確保できる働き方が浸透してきた。
在宅であれば通勤時間は自分の作業ができるし、時差通勤であれば、朝ひと仕事してから出社することもできる。
ニューノーマルな働き方が広まってきた今、朝の時間の使い方を見直してみるのもいいタイミングなのかもしれない

睡眠は削るな

集中力を回復させるのに最も重要なのは睡眠である。
しっかり眠ることによって、翌朝に100%の状態に集中力を回復することができる。
「朝のゴールデンタイム」は十分な睡眠とセットということである。
 
よって睡眠を削ったり、徹夜をすることは、「朝のゴールデンタイム」をなくすことであり、集中仕事術では「愚の骨頂」と言える。
また健康の面においても、癌や脳卒中などのリスクを高め、命を削ることになりかねない。
 
集中力の回復にあたっては、「仮眠」も有効的だ。
午後の時間に仮眠を取ることで、「朝のゴールデンタイム」の状態をもう一度作り出すことができるのである。
その際、最適な仮眠の長さは30分程度とされている。
適切な長さの仮眠をとることで、疲労回復、認知症予防など、身体に良い効果も期待できるという。
 
 
流石に日本の伝統的なオフィスにおいて、堂々と仮眠を取ることはなかなか難しいだろう。
しかしこれもまた、在宅勤務であれば、取り入れやすいのではないだろうか。
 
また日本の厚労省も、「健康づくりのための睡眠指針」の中で仮眠の重要性について触れており、先進的な企業では、職場内に仮眠ブースを設置する企業も出始めている。
 
仮眠を取ることが当たり前になる時代も、そう遠くないのかもしれない。

健康でいることが最強の時間術

本書では、時間を効率的に活用するため様々なTipsが紹介されているが、
著者は「毎日継続すること」を強調している
 
同じことを、同じ時間に毎日やる。
そうすることで体がリズムを覚え、決まった時間に最高のパフォーマンスを発揮できる。
 
昼間は集中してバリバリ働き、空いた時間で趣味や友人・家族との団欒などのリラックスに充てる。
 
神・時間術を使うことで「仕事での成果」「家族の愛」「自己成長」を実現できるようになる。
 
それが心と身体の健康にもつながり、最終的には健康寿命を伸ばすことにつながる。
 
筆者の考える最強の時間術とは、早起きすることでも、よく眠ることでもなく、
長生きすることのであろう。

(参考)神・時間術Tips

本書では集中力をあげるTipsが数多く紹介されている。
ゴールデンタイムに組み合わせることで、パフォーマンスは爆上がりするだろう。
ご参考までに、印象に残ったいくつかをを紹介。
 

<15・45・90の法則>

  • 集中できる時間の単位は「15分・45分・90分」
    (例)15分のアクションシーン、45分の授業、90分のサッカーの試合
  • 作業内容に合わせて、休憩の入れ方を変える
    (例)単純作業は短く、書類作成などは長く
  • 自分に最適なインターバルを見つけることが大切
<制限時間仕事術>
  • 人間の脳は、追い込まれるとアドレナリンが分泌され、集中力を高める
  • 制限時間を設けると、開始直後とラストスパートの2回、集中力が高まる時間ができる
  • 大きな仕事を小さな仕事に分け(45分→15分×3)、制限時間を設けることで集中力アップ

まとめ

今回は、樺沢紫苑著「神・時間術」を紹介しました。
 
時間術と書いておきながら、結果的には健康法と重なる内容となっており、長く生きること=神・時間術という当たり前のことを思い出させてくれました。
 
毎日の生活で忙しく、時間に余裕のない方、新しい働き方で時間の自由度は増えたが、もっと効率的に使いたい方など、人生を豊かにしたいと思っている方にとっておすすめの一冊でした。

 

神・時間術

神・時間術

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(要約)古賀史健著「20歳の自分に受けさせたい文章講義」

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古賀史健著「20歳の自分に受けさせたい文章講義」を読みましたので、内容・読んだ感想を紹介します。

 

本の概要

  • 文章作成に携わる初心者に向けて、持っておくべき心構えや、論理的な文章を書くための基本的なテクニックを紹介した本
  • 前段を除き全4章から構成されており、「論理展開」「文章構成」「読み手」「編集」について、具体例を交えながら分かりやすく述べられている。
  • 筆者の古賀氏は現役のフリーランスライター。大ヒットした「嫌われる勇気」の著者

さすが文章術に関して書かれているだけあって、非常に読みやすい。普段あまり本を読まない方にとっても、取っ付きやすのではないだろうか。

本の中で紹介されているテクニックが活用されているので、何度も読み返すことで新たな発見があるかも!

こんな人におすすめ

  • これからプロの物書きを目指す駆け出しライター
  • 学校や職場で書くレポートやメール、企画書の質を向上させたい大学生・新社会人
  • 「話せるのに書けない!」を解消したい全ての人

筆者いわく、「書く技術」は「考える技術」なので、文章作成に携わらない人でも読んでおいて損はないかも!

量も多くないので、忙しい人もスキマ時間にサクサク読めちゃいます。

ポイント解説

読み終えた後、印象に残ったポイント3つを紹介します。

「いい文章」とは「相手の心を動かし、行動までも動かす文章」

みなさんは「いい文章」とは?と聞かれて、どのように答えるだろうか?
  • 誰にでも分かるよう、平易な言葉・表現で書かれた文章
  • 接続詞や関係代名詞など、文法が正しく使われている文章
  • 読みやすい文章だろうか?
     
筆者いわく、文章を書く目的は、
「①自分の考えを主張し、②それに向けて相手の行動を引き出すこと」
と述べている。
したがって「いい文章」とは、
「自らの主張を明確に表現し、最終的に読み手を行動させる文章」ということになる。
 
逆にいうと、言いたいことが伝わらない文章、読んで終わりになってしまう文章は、いい文章とは言えないのである。
 
①は比較的簡単だと思う。
書き手は何かを表現したくて文章を書くのだから、そこに自分の主張を入れることは難しくはないだろう。
 
では②はどうだろうか?
企画書やレビュー記事など、「〜をやりたい」「〜は良い」」など、主張で終わってしまっていないだろうか?
相手を行動へと動かすのは簡単ではないように思われる。
 
どうしたら相手の行動を引き出せるのか?
それは「説得」ではなく「納得」を引き出すこと
 
読み手は、書き手の主張に対しては基本的に「他人ごと」である。
当事者意識を芽生えさせ「自分ごと」として捉えて初めて、納得〜行動へ導くことができる。
 
では読み手にも「これは他人ごとじゃない」と感じてもらうにはどうしたらいいか?
その方法の1つは、導入で仮説を投げかけ、読み手と一緒にその検証を行っていくことである。
 
一般的な事実を述べたあと、「しかし〜」で自分の主張を述べる論法はよく見かけるのではないだろうか?
また文章の随所に、想定される読み手の反論を織りまぜ、読み手との対話を実現することで、最終的に「自分ごと」として捉えてもらうこともできる。
 
本書では各章にて、「接続詞を適切に使用した論理展開」「序論・本論・結論といった文章構成」「読み手の理解」「冗長さを排除する思い切った編集」などを紹介しているが、その方法全ては「いい文章」を書く目的のためにある。

とにかく書く

筆者は冒頭部分において、本書の目的を
「話せるのに書けない!を解消すること」としている。
 
いざ文章を書こうと机に向かうのだが、いざとなると
「自分の気持ちをうまく文字にできない!」
多くの人が経験した事のある悩みなのではないだろうか。
 
筆者はこの現象に対し
「書こうとするから、書けないのだ」
「書くことをやめて、頭の中のぐるぐるを翻訳する
と勧めている。
 
つまり、文章書くこととは、言葉にできない頭のなかのぐるぐるを翻訳することであり、書くことによってそのぐるぐるを整理していく。その結果文章が書けるようになる、ということらしい。
 
「書くために考える」のではなく、「考えるために書く」
「文章力を鍛えることは思考力を鍛えることに繋がる」
と筆者は語る。
 
書けない人こそ書こう!書いて書いて書きまくれ!論理構造と文章構成とかは細かいことはその後だ!そんなメッセージが伝わってきた。

最大の禁句は「もったいない」

文章の目的は、自分の主張を明確に表現し、相手の納得を引き出すことであった。

筆者は、

「この目的を妨げる文章は、思い切って削らなければならない」

と述べている。

言っていることは分かる。

私も仕事柄、大量の文章・資料を作成するが、確かに沢山書いてあった方がなんとなく「ちゃんと考えた」ように見える。

また、その頑張りを認めてもらいたいがために残しておきたくなる。

 

だが、同じようなことを繰り返して無駄に長く、また結論の見えない文書は、読み手にとってはストレスでしかないのである。

冗長さを排除するためにも、長い文章は躊躇なく切り分ける勇気が必要ということである。

 

自分のことを書かれているようで、大いに反省。。。

次に読みたいのはこの2冊

超箇条書き 杉野幹人著

元コンサルの上司から紹介された本。

ともすれば単なる文字の羅列になってしまう箇条書き。いかに短く魅力的に伝え、人を動かす箇条書きにできるか、について書かれたノウハウ本。

「20歳の自分に受けさせたい文章講義」と同様、読み手にアクションを起こさせることを目的としており、文章の持つ力を改めて認識させてくれる。

「具体⇔抽象」トレーニング 細谷功

「具体」と「抽象」という、何となく分かるけどイマイチうまく説明できない概念を説明してくれる本。

身につけるには時間がかかるが、あらゆる問題解決の基本的な思考法となっているため、知っておいて損はないだろう。

まとめ

今回は、古賀史健著「20歳の自分に受けさせたい文章講義」について紹介しました。

冒頭述べた通り、ライター初心者さんはもちろん、ブログやSNSなど、日々何かを書かなければならない、あらゆる方におすすめの一冊でした。

「書くこと」は「考える」こと。分からない時こそ、頭の中のグルグルを書き出しましょう。おのずと答えが出てくるかも!