(要約)樺沢紫苑著 「神・時間術」
樺沢紫苑著「神・時間術」を読みましたので、内容・読んだ感想を紹介します。
概要
- 平等に与えられている24時間をフル活用し、最大限の成果を出したいと思っている人に向けて、様々な時間術を紹介したハウツー本。
- 著者の樺沢氏は、作家業の傍ら、精神科医としてのバックグラウンドを有しており、脳科学的な視点での解説も添えられている。
本書で紹介されている「神・時間術」は、著者の経験から編み出されたものであり、
実際に著者は、本の執筆に加え、ブログ、メルマガ、Youtube、Facebookなど大量のタスクをこなしつつ、年30日以上の海外旅行にも行っているという。
そのほかの著書には、有名な「アウトプット大全」などがある。
こんな人におすすめ
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「もっと時間を有効活用して、仕事で結果を出したい」と思っている人
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「もっと家族と過ごす時間が欲しい」と思っている人
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「たまにはのんびりする時間を持ちたい」と思っている人
内容自体は非常にシンプルなので、空いた時間でさらっと読めてしまいます。
忙しい人ビジネスマンや主婦の方にもおススメ!
忙しい人ビジネスマンや主婦の方にもおススメ!
ポイント
印象に残ったポイントを3点紹介します。
「脳のゴールデンタイム」を活用して時間効率4倍
仕事のパフォーマンスは、「集中力×時間」で決まる。
つまり、限られた短い時間でも、集中力を高めることで、アウトプットする量や質は最大化できるということである。
つまり、限られた短い時間でも、集中力を高めることで、アウトプットする量や質は最大化できるということである。
しかし、「集中力を高める!」と聞くと、まるで自分の意思でコントロールできるものと勘違いしてしまいがちではないだろうか?
- コーヒーを飲んで集中のスイッチを入れよう
- シャワーを浴びて、頭をスッキリさせよう
- 音楽を聴いて、雑音をシャットアウトしよう
など
筆者いわく、
では誰もが集中できる方法はないのだろうか?
それは、
集中力の高い時間帯に、集中したい作業を持ってくること
である。
「脳のゴールデンタイム」とは、「起床後2時間」のこと。
人間の脳は、寝ている間に整理整頓される。
朝起きた直後の脳は、「何も載っていないまっさらな机」の状態。
朝起きた直後の脳は、「何も載っていないまっさらな机」の状態。
この時間帯は、論理的な文章を書いたり、語学学習したり、難しい資料を読んだりなど、集中力を必要とする仕事が向いている。
逆にこの時間にメールのチェックをしたり、打合せをしたりすることは、せっかくの脳のパフォーマンスを生かせないので、避けるべし。
どの時間帯に、どんな仕事をするのか。集中力を加味した仕事の計画を立てるだけで、脳科学的に仕事のパフォーマンスを倍増することができる。
これを聞いてどう思うだろうか?
- 「朝起きて、朝食を食べ、身支度をし、電車に乗って通勤し、会社に着く頃には2時間なんてとっくに過ぎてる」
- 「電話だってかかってくるし、しょーもない雑談だって振られる。決して自分の思うように仕事ができない」
こう思う人も多いと思う。
確かに、以前の働き方であれば、大半の日本人サラリーマンは、これを実践するのはなかなか難しかっただろう。
筆者のように、自分の時間を好きに使える、アレンジできる人の時間術である。
筆者のように、自分の時間を好きに使える、アレンジできる人の時間術である。
しかしコロナを機に、在宅勤務や時差通勤など、朝の時間を確保できる働き方が浸透してきた。
在宅であれば通勤時間は自分の作業ができるし、時差通勤であれば、朝ひと仕事してから出社することもできる。
ニューノーマルな働き方が広まってきた今、朝の時間の使い方を見直してみるのもいいタイミングなのかもしれない。
睡眠は削るな
集中力を回復させるのに最も重要なのは睡眠である。
しっかり眠ることによって、翌朝に100%の状態に集中力を回復することができる。
「朝のゴールデンタイム」は十分な睡眠とセットということである。
よって睡眠を削ったり、徹夜をすることは、「朝のゴールデンタイム」をなくすことであり、集中仕事術では「愚の骨頂」と言える。
また健康の面においても、癌や脳卒中などのリスクを高め、命を削ることになりかねない。
集中力の回復にあたっては、「仮眠」も有効的だ。
午後の時間に仮眠を取ることで、「朝のゴールデンタイム」の状態をもう一度作り出すことができるのである。
流石に日本の伝統的なオフィスにおいて、堂々と仮眠を取ることはなかなか難しいだろう。
しかしこれもまた、在宅勤務であれば、取り入れやすいのではないだろうか。
また日本の厚労省も、「健康づくりのための睡眠指針」の中で仮眠の重要性について触れており、先進的な企業では、職場内に仮眠ブースを設置する企業も出始めている。
仮眠を取ることが当たり前になる時代も、そう遠くないのかもしれない。
健康でいることが最強の時間術
本書では、時間を効率的に活用するため様々なTipsが紹介されているが、
著者は「毎日継続すること」を強調している
著者は「毎日継続すること」を強調している
同じことを、同じ時間に毎日やる。
そうすることで体がリズムを覚え、決まった時間に最高のパフォーマンスを発揮できる。
昼間は集中してバリバリ働き、空いた時間で趣味や友人・家族との団欒などのリラックスに充てる。
神・時間術を使うことで「仕事での成果」「家族の愛」「自己成長」を実現できるようになる。
それが心と身体の健康にもつながり、最終的には健康寿命を伸ばすことにつながる。
筆者の考える最強の時間術とは、早起きすることでも、よく眠ることでもなく、
長生きすることのであろう。
長生きすることのであろう。
(参考)神・時間術Tips
本書では集中力をあげるTipsが数多く紹介されている。
ゴールデンタイムに組み合わせることで、パフォーマンスは爆上がりするだろう。
ゴールデンタイムに組み合わせることで、パフォーマンスは爆上がりするだろう。
ご参考までに、印象に残ったいくつかをを紹介。
<15・45・90の法則>
- 集中できる時間の単位は「15分・45分・90分」
(例)15分のアクションシーン、45分の授業、90分のサッカーの試合 - 作業内容に合わせて、休憩の入れ方を変える
(例)単純作業は短く、書類作成などは長く - 自分に最適なインターバルを見つけることが大切
<制限時間仕事術>
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人間の脳は、追い込まれるとアドレナリンが分泌され、集中力を高める
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制限時間を設けると、開始直後とラストスパートの2回、集中力が高まる時間ができる
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大きな仕事を小さな仕事に分け(45分→15分×3)、制限時間を設けることで集中力アップ
まとめ
今回は、樺沢紫苑著「神・時間術」を紹介しました。
時間術と書いておきながら、結果的には健康法と重なる内容となっており、長く生きること=神・時間術という当たり前のことを思い出させてくれました。
毎日の生活で忙しく、時間に余裕のない方、新しい働き方で時間の自由度は増えたが、もっと効率的に使いたい方など、人生を豊かにしたいと思っている方にとっておすすめの一冊でした。